“うろこがた”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
鱗形84.6%
鱗型7.7%
魚鱗形7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
鱗形うろこがたあかのついた身体全体は、まるで松の幹が転がっているようだった。胸は、肋骨ろっこつが一つ一つムキ出しに出ていた。
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
家へ帰るとすぐ鱗型うろこがた銘仙めいせんの不断着に着かえ、髪も乱れたままで、ホテルのそばにある肴屋さかなやや、少し離れたところにある八百屋やおやへ、女中のお八重をつれて買い出しに行ったりして
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
そろそろ青みがかって来た叡山苔えいざんごけやすために、シャベルをもって砂を配合した土に、それを植えつけていると、葉子はくろずんだあおと紫の鱗型うろこがた銘仙めいせんの不断着にいつもの横縞よこじまの羽織を着て
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
その魚鱗形うろこがたの板壁の見える一人の教授の家の前から緩慢なめらかな岡の地勢に添うて学校の表門の方へ弧線を描いている一筋のこみちなぞが最後に捨吉の眼に映った。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)