“いたびさし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
板庇50.0%
板廂50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
例の新築された会所のそばを通り過ぎようとすると、表には板庇いたびさしがあって、入り口の障子しょうじも明いている。寿平次は足をとめて、思わずハッとした。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
と思うと、それがまたつぶてを投げるように、落として来て、太郎の鼻の先を一文字に、向こうの板庇いたびさしの下へはいる。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
くるわの真中に植わった柳に芽が吹き出す雪解けの時分から、くろ板廂いたびさしみぞれなどのびしょびしょ降る十一月のころまでを、お増はその家で過した。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
大瓶おおがめの水も凍り、板廂いたびさしから剣のような氷柱つららが垂れている寒空の冴えた夜半だった。——ふと、裏のおおきな木のうえを仰ぐと、それへじのぼっている人間がある。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)