“あなし”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:アナシ
語句割合
痛足50.0%
穴師50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「家ゆ出でて三年がほどに」、「痛足あなしの川ゆ行く水の」、「野坂の浦ゆ船出して」、「山の出雲いづもの児ら」等の用例がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
痛足あなしの川を
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それ等の文句を取って其儘そのまま詠んだというのでなく、巻向川(痛足あなし川)の、白くたぎ水泡みなわに観入して出来た表現なのである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
一首の意は、近くの痛足あなし川に水嵩みずかさが増して瀬の音が高く聞こえている。すると、向うの巻向まきむく由槻ゆつきたけに雲がいて盛に動いている、というので、二つの天然現象を「なべに」で結んでいる。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
三輪山のふもとをすこし歩きまわってから、柿本人麻呂の若いころ住んでいたといわれる穴師あなしの村を見に纏向山まきむくやまのほうへも往ってみたりしました。
大和路・信濃路 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
痛足河あなしがわは、大和磯城郡纏向まきむく村にあり、纏向山(巻向山)と三輪山との間にみなもとを発し、西流している川で今は巻向川と云っているが、当時は痛足あなし川とも云っただろう。近くに穴師あなし(痛足)の里がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)