痛足あなし)” の例文
「家ゆ出でて三年がほどに」、「痛足あなしの川ゆ行く水の」、「野坂の浦ゆ船出して」、「山の出雲いづもの児ら」等の用例がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
痛足あなしの川を
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それ等の文句を取って其儘そのまま詠んだというのでなく、巻向川(痛足あなし川)の、白くたぎ水泡みなわに観入して出来た表現なのである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
一首の意は、近くの痛足あなし川に水嵩みずかさが増して瀬の音が高く聞こえている。すると、向うの巻向まきむく由槻ゆつきたけに雲がいて盛に動いている、というので、二つの天然現象を「なべに」で結んでいる。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)