“あてな”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
宛名97.9%
宛無2.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
書いてはすて、書いてはすて、博士はなんども書きなおして、やっと一つう手紙てがみをかきあげると、ふうをして、宛名あてなをしたためた。
藩公の名には墨印と花押かおうがしるされているし、宛名あてなのところには「道次諸藩御老職中」と書いてあった。かねは顔色を変えた。
ひとごろし (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
何かは知らず滅多めった無性むしょうせわしそうだ。斯様こんうずの中にまれると、杢兵衛もくべえ太五作たごさくも足の下が妙にこそばゆくなって、宛無あてなしの電話でもかけ、要もないに電車に飛び乗りでもせねばまぬ気になる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)