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あくぎやく
蒙り度此上は我々共御家來の
末に召し出さるれば身命を
抛つて
守護仕るべし御心安く思し召さるべし然れども我々は
是迄惡逆を
放し
遊興は日頃に十
倍仕たりける是に依て
神主共五百餘人
集會榊の枝に四手を切
掛て種々と義長の
惡逆を申立て彼を
實に情なき者にて其の心の恐ろしき事
鬼とも
蛇とも
譬へ
難き大惡人に御座候
往昔より
惡逆非道の者の
咄しも
承まはり候へども此平左衞門殿程の大惡非道の人を
お茶を持つて來たお靜は、平次の
惡謔に當てられて敷居際に立ち淀みます。