『春』
硝子戸に不思議に縁がある。この間まで借りていた二階の部屋は東が二間、四枚の素通し硝子であった。朝日が早くさし込む。空が雑木の梢を泛べて広く見渡せ、枝々の間から遙に美しく緑青をふいた護国寺の大屋根が見えた。温室に住んでいるよう、また、空中に浮 …
著者 | 宮本百合子 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
初出 | 「ウーマンカレント」1925(大正14)年5月号 |
文字種別 | 新字新仮名 |
読書目安時間 | 約7分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約12分(300文字/分) |
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