追拂おひはら)” の例文
新字:追払
が、不斷ふだんだと、魑魅ちみ光明くわうみやうで、電燈でんとうぱつけて、畜生ちくしやうつぶてにして追拂おひはらふのだけれど、あかり覺束おぼつかなさは、天井てんじやうからいきけると吹消ふつけされさうである。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
徳太郎君此處ここへも到り夜々よな/\あみおろされける此事早くも山田奉行やまだぶぎやう大岡忠右衞門きゝて手附の與力よりきに申付召捕めしとるにはおよばず只々嚴重げんぢう追拂おひはらふべしと申ふくめければ與力よりき兩人その意を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
其邊そのへん徘徊はいくわいしてつては、到底とても車外しやぐわいでゝその仕事しごとにかゝること出來できない、そこで、この爆裂彈ばくれつだんばして、該獸等かれらたを追拂おひはらひ、其間そのあひだ首尾しゆびよくやつて退けやうといふくわだてだ。
どんな大至急だいしきふ要用えうようでもふうといふをつたことく、つまとは木偶でくのばうがお留守居るすゐしてるやうに受取うけとり一通いつゝう追拂おひはらつて、それは冷淡れいたんげていたものなれば、旦那だんなさまの御立腹ごりつぷくはでものこと
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
煙草たばこひながらくと、土地とちかずおほいぬが、くるま吠附ほえつれかゝるのを追拂おひはらふためださうである。駄菓子屋だぐわしや縁臺えんだいにも、船宿ふなやど軒下のきしたにも、蒲燒屋かばやきや土間どまにも成程なるほどたが。
城崎を憶ふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
追拂おひはらはれ京都に住居すまひの時留守宅るすたくへ忍び入衣類をうばひ取大津おほつ立越たちこえ賭博をうち佐七平四郎と兄弟分になり上方かみがたより東海道とうかいだうかせぎ折々をり/\は江戸へも立出候處あまさき家中の侍士さふらひ金用にて出立と馬士まごの咄を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
取しなり或時腕首うでくび大疵おほきずうけ其後働く事かなはず彼是する中四十歳餘りにもなりしかば元祿の頃大坂を追拂おひはらはれてより十五六年も過たるゆゑ最早氣遣ひも有まじと思ひ勘兵衞かんべゑと名をかへ東堀ひがしぼり住居すまひ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)