“追憶”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おもひで43.2%
ついおく24.3%
おもいで16.2%
つゐおく8.1%
おもいだ2.7%
しの2.7%
つひおく2.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あきらかに見、明に考へることが出来るやうに成つた。眼前めのまへひろがる郊外の景色を眺めると、種々さま/″\追憶おもひでは丑松の胸の中を往つたり来たりする。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
次に、この本に収めた各篇について、簡単な解説を試み、一つは作者自身の楽しき追憶ついおくのよすがにし、また一つは大方の御参考にしたいと思う。
『地球盗難』の作者の言葉 (新字新仮名) / 海野十三(著)
八歳の時に足利を出て、通りの郵便局の前の小路こうじの奥に一家はその落魄らくはくの身を落ちつけた。その小路はかれにとっていろいろな追憶おもいでがある。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
勘次かんじ追憶つゐおくへなくなつてはおしな墓塋はかいた。かれかみあめけてだらりとこけた白張提灯しらはりちやうちんうらめしさうるのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
お銀は自分の十六、七のころを追憶おもいだしながら、水々した目でランプをみつめていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
此処ここでは流石さすがに欧洲の覇者であつた昔が追憶しのばれた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
またあきになつて、まち夫婦ふうふ去年きよねんとおなじやうに子供こどもてるとき食後しよくごなどは、しみ/″\と故郷こきやう追憶つひおくにふけるのであつた。
追憶 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)