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此様
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こんな
ふりがな文庫
“
此様
(
こんな
)” の例文
旧字:
此樣
花「そう、
本当
(
ほんと
)
にすまないことね、お前さんに
此様
(
こんな
)
苦労までかけてさ、堪忍して下さいよ、これも前世からの約束ごとかも知れないわ」
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
此様
(
こんな
)
女の人は、多勢の中ですもの、幾人もあったでしょうが、其
赤
(
あか
)
さんを
懐
(
だ
)
いて御居での方が、妙に私の心を動かしたのでした。
昇降場
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
彼女は復も私を抱き締めヒステリカルな声を上げて、のべつに
此様
(
こんな
)
事を
喋舌
(
しゃべ
)
りながら、額と云わず頸と云わず接吻の雨を降らすのでした。
温室の恋
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
大きな声では申されませぬが
私共
(
わたくしども
)
の考えますには無益なものに
手数
(
てすう
)
をかけて楽しんでいられるようなら
此様
(
こんな
)
結構な事はないじゃ御座いませんか。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「
此様
(
こんな
)
小さい者を
其様
(
そんな
)
に
苛
(
いじ
)
めて育てて、若しか
俊坊
(
としぼう
)
の様な事にでもなったら、
如何
(
どう
)
おしだ?
可哀
(
かわい
)
そうじゃないか。」
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
▼ もっと見る
奥にこそ
此様
(
こんな
)
に
人気
(
ひとけ
)
無くはしてあれ、表の方には、相応の男たち、腕筋も有り才覚も有る者どもの居らぬ筈は無い。
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「だが、重右衛門ナア、貴様も此村で生れた人間ぢや無えか、それだアに、
此様
(
こんな
)
に
皆々
(
みんな
)
に
爪弾
(
つまはじき
)
されて……悪い事べい為て居て、それで
寝覚
(
ねざめ
)
が好いだか」
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
朝ツぱらから
此様
(
こんな
)
愚痴を申して済みませぬが、考へて見ますと、成程女と云ふものは悪魔かも知れませぬのねエ、山木様も奥様のお
亡
(
なくな
)
りなされた当分は
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
其
(
その
)
晩は葡萄酒に酔つて船へ帰つて寝た。翌
朝
(
てう
)
は
春雨
(
はるさめ
)
の様な
小雨
(
こさめ
)
が降つて居る。
此様
(
こんな
)
に温かいのは異例だと
此
(
この
)
地に七八年
案内者
(
ガイド
)
をして居る杉山と云ふ日本人が話して居た。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
彼の郷里熊本などは、
昼間
(
ひるま
)
は百度近い暑さで、夜も
油汗
(
あぶらあせ
)
が流れてやまぬ程
蒸暑
(
むしあつ
)
い夜が少くない。
蒲団
(
ふとん
)
なンか滅多に敷かず、
蓙
(
ござ
)
一枚で、真裸に寝たものだ。
此様
(
こんな
)
でも困る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
朝は早く飛び出して、工場へ行き石炭の火の赤く燃え上ったので
温
(
あたた
)
まる——だから、
此家
(
ここ
)
に限って火の気というものが一年たったってありやしない。とても
此様
(
こんな
)
家には長くいられない。
老婆
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
何有
(
なあに
)
、僕は些と
此様
(
こんな
)
な箇所が
性
(
しやう
)
に
適
(
かな
)
つてゐるんでね。」
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「貴下いつかの晩も
此様
(
こんな
)
でしたね。」
恋を恋する人
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
が、
此様
(
こんな
)
事が果して出来るか。
現代の婦人に告ぐ
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
新「ヘエ道理でよく似ていらっしゃると思いました、イエ何、あのよく似たこともあるもので、江戸にも
此様
(
こんな
)
事が有りましたから」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『
米国
(
アメリカ
)
まで来て、
此様
(
こんな
)
御馳走になれやうとは、実に意外ですな。』と髯を
捻
(
ひね
)
つて
厳
(
いか
)
めしく礼を云ふもあれば
一月一日
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
惟
(
おも
)
うに、私等親子の
愛
(
いつく
)
しみを受けて、曾て痛い目に
遭
(
あ
)
った事なく、
暢気
(
のんき
)
に安泰に育ったから、それで
此様
(
こんな
)
に無邪気であったのだろうが、ああ、想出しても無念でならぬ。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
何
(
ど
)
うぞ僕に言はせて下ださい、——一体僕の家は何で食つて居るんです、何で
此様
(
こんな
)
贅沢
(
ぜいたく
)
が出来るんです、地代と利子と、
賭博
(
ばくち
)
と泥棒とぢやありませんか——
否
(
い
)
や、姉さん
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
嗚呼何様して
此様
(
こんな
)
に
仁慈
(
なさけ
)
深かろと有難くて有難くて私は泣きました、鐵に謝罪る訳は無いが親方の一言に
堪忍
(
がまん
)
して私も謝罪に行きましたが、それから
異
(
おつ
)
なもので何時となく鐵とは仲好になり
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
何時
(
いつ
)
ありつけるか知れたものじゃねえ。と
為
(
す
)
ると
生命
(
いのち
)
の問題だ! へ、人間て云う奴ァ
屹度
(
きっと
)
恐らく
此様
(
こんな
)
時に
盗賊
(
ぬすっと
)
根性を起こすんだろうぜ。何しろ生命の問題だからな。死ぬか生きるかの問題だ。
人間製造
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
此様
(
こんな
)
風な
渚
(
なぎさ
)
も長く見て居る
中
(
うち
)
にはもう珍らしく無くなつて東海道の興津
辺
(
へん
)
を通る様な心持になつて居た。六時に着く
筈
(
はず
)
のイルクウツクで一時間停車して乗替を済ませたのは十一時過ぎであつた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
「
阿父
(
おとうさん
)
、ほら
此様
(
こんな
)
に摘んでよ」
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
若「も
往
(
ゆ
)
けません、
漸
(
ようよ
)
う此処まで我慢して歩いて来ましたので、
私
(
わたくし
)
は
此様
(
こんな
)
に歩いた事はないものですから、
最
(
も
)
う何うしても
往
(
い
)
けません」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何でも
漫
(
やたら
)
に其処に居る人達に辞儀をしたようだったが、
其中
(
そのうち
)
に
如何
(
どう
)
いう訳だったか、伯父の
側
(
そば
)
へ行く事になって、
側
(
そば
)
へ行くと、伯父が「
阿父
(
おとっ
)
さんも到頭
此様
(
こんな
)
になられた」
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
三州味噌の
香気
(
にほひ
)
がどうだ、塩加減がどうだ、此の
沢庵漬
(
たくあん
)
の
切形
(
きりかた
)
は見られぬ、此の塩からを
此様
(
こんな
)
皿に入れる頓馬はない、
此間
(
このあひだ
)
買つた清水焼はどうした、又
破
(
こわ
)
したのぢやないか
一月一日
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
私の為めに余儀なく
此様
(
こんな
)
結婚をして一生不幸を見たなんて、
残酷
(
ひどい
)
ことさへ言ふんですよ、——言はれて見れば私にも弱点があるから、言ひたいこともジツと
耐
(
こら
)
へて居ますけれども
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
死にましょう死にましょう死にましょうよ……私殺されるかも知れないのよ! 殺したければ殺すがいいわ! 殺されたって別れはしない! 殺される事が恐ろしくて何うして
此様
(
こんな
)
恋が出来るものか! ……貴郎
温室の恋
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
清「えゝ、お
内室
(
かみ
)
さんあんたはまアどうして
此様
(
こんな
)
にお成りなさいました、十四年
前
(
あと
)
お宅で御厄介になりやした家根屋の清次でございやす」
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
若「あれさ、
此様
(
こんな
)
ことになってゝ済むのすまぬということがあるものかねえ、私がこんな
形
(
なり
)
だからお前さん外聞がわるいんで」
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
母「おゝ、清次か、おゝ/\まアどうもまア、思いがけない懐かしい事だなア、
此様
(
こんな
)
に
零落
(
おちぶれ
)
やしたよ、恥かしくって
合
(
あわ
)
す顔はございやせんよ」
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
新「はい水街道の方から参ったので、有難うございます、実に驚きました、
酷
(
ひど
)
い雨で、
此様
(
こんな
)
に降ろうとは思いませんでした、実に雨は一番困りますな」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
徳「えい大きに小降に成ったが、何うも降りやすね何うも………旦那去年の九月四日の晩も
此様
(
こんな
)
に降りましたな」
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
茂「此の間中
独身者
(
ひとりもの
)
で居るから、棚から物を卸そうとすると、
砂鉢
(
すなばち
)
が
落
(
おっこ
)
って
此様
(
こんな
)
に疵が付いたのさ」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
清水助右衞門の
忰
(
せがれ
)
だから驚きましたのは、七年
前
(
あと
)
自分のお
父
(
とっ
)
さんが此の人のお
父
(
とっ
)
さんを殺し、三千円の金を取り、それから取付いて
此様
(
こんな
)
に立派な身代になりましたが
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何が困るたって、あなた
此様
(
こんな
)
に貧乏になりきりまして、実に世間体も恥かしい事で、斯様な裏長屋へ入って、あなたは平気でいらっしゃるけれども、
明日
(
あす
)
食べますお米を
梅若七兵衛
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
柳「親方何だね、お前さんの心掛が
宜
(
い
)
いというので、旦那が
此様
(
こんな
)
に可愛がって、お前さんの為になるように心配してくださるのだから、話したって宜いじゃアないかね」
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
今夜は弁天様から
女福
(
にょふく
)
を授けられているそうだ、今の騒ぎで
無銭
(
たゞ
)
遊びをした上、
茫然
(
ぼんやり
)
帰
(
けえ
)
ろうとすると
此様
(
こんな
)
上首尾、と喜びまして
種々
(
いろ/\
)
お若さんに取入ろうとするが受付けません。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
多「まア
此処
(
こけ
)
えかけなよ、子供も掛けな、叔母さん
貴方
(
あんた
)
はまア何うして
此様
(
こんな
)
に
零落
(
おちぶ
)
れたよ」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
殊
(
こと
)
にゃア女の事だから、此の兄の
死水
(
しにみず
)
も
手前
(
てまえ
)
が取るのが
当前
(
あたりまえ
)
だのに、何の因果で
此様
(
こんな
)
悪婦
(
あくとう
)
が出来たろう、お
父様
(
やじさま
)
も正直なお方、私も是までさのみ悪い事をした覚えはないのに
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
婆「有難う…おや/\まア
是
(
こ
)
れだけおくんなさいますか、まア
此様
(
こんな
)
に
沢山
(
えら
)
結構なお菓子を」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
此様
(
こんな
)
にお早く
入
(
い
)
らつしやるてえのは
余
(
よ
)
ツ
程
(
ぽど
)
お
好
(
すき
)
でなければ
出来
(
でき
)
ない事でエヘヽヽ
先達
(
せんだつて
)
は
番附
(
ばんづけ
)
の時に
上
(
あが
)
りましたが、
何
(
ど
)
うも
彼所
(
あすこ
)
から
入
(
い
)
らしつたかと思ふと
実
(
じつ
)
に
恟
(
びつく
)
りする
位
(
くらゐ
)
なもので
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
此様
(
こんな
)
に貰っちゃア気の毒だが、お
前
(
めえ
)
さんも出世イして、
斯
(
こ
)
んな身分になって
私
(
わし
)
も嬉しいからお辞儀イせずに戴きやす……私イ
益
(
えき
)
もねいこんだ、お前さんのことを何で
他
(
ひと
)
に話すもんかね
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
恒「それだッて
此様
(
こんな
)
に毀してしまっちゃア、
明日
(
あした
)
鹿島
(
かじま
)
さんへ納める事が出来ねえ」
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
元
私
(
わたくし
)
はお梅も知って居ますが、奉公人の十四五人も使った身の上で、
此奴
(
こいつ
)
は今は婆アですが若い
中
(
うち
)
に了簡違いをして、此奴が来たからと云う訳でも有りませんが
此様
(
こんな
)
に
零落
(
れいらく
)
して、斯う云う処へ
引込
(
ひっこ
)
み
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
此様
(
こんな
)
に人を
欺
(
だま
)
すようなことをなさろうとは思わなかったが、
後月
(
あとげつ
)
来たら碁を打て/\と先生が勧めるから、お相手の積りで碁を打って、初めは私に飴を食わせ、勝たして置いて賭碁をしろと仰しゃり
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
此
漢検準1級
部首:⽌
6画
様
常用漢字
小3
部首:⽊
14画
“此様”で始まる語句
此様所