優美ゆうび)” の例文
その黒いむく毛のわかいハイカラさんは、ゼルビノこうですが、これは優美ゆうびという意味で、よく様子をごらんなさい、いかにもその名前のとおりだ。
かういふのがよいとかんがへるのは、實際じつさい生活せいかつからはなれたところに、文學ぶんがくがあるのだとするかんがへで、もういまひととは關係かんけいのない、優美ゆうびといふ趣味しゆみであります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
しかし日本につぽんでは平安朝以後へいあんちよういごになりますと、とうかゞみ模樣もようをだん/\變化へんかさせて、つひにはまったく日本的につぽんてきのごく優美ゆうび模樣もようをつけたかゞみつくるようになりました。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
この植物しよくぶつのうちいはくだけてつもつたうへえるものにははなあかくて紅緑こうりよくをもつた優美ゆうびなこまぐさや、鋸葉のこぎりば四出ししゆつしたくきのさきにあか唇形しんけいはながむらがつてゐるみやましほがま
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
しろのへこおびまえむすんでだらりとれた様子ようすったらびつきたいほど優美ゆうびでした。
すぢ日本につぽんうるはしき乙女おとめ舞衣まひぎぬ姿すがたが、月夜げつやにセイヌかは水上みなか彷徨さまよふてるといふ、きはめて優美ゆうびな、またきはめて巧妙こうめう名曲めいきよく一節ひとふし、一は一よりはなやかに、一だんは一だんよりおもしろく
よしや深山みやまがくれでも天眞てんしんはないろ都人みやこびとゆかしがらする道理だうりなれば、このうへは優美ゆうびせいをやしなつてとくをみがくやうをしへ給へ、此地このちたりとてからさつぱり談合だんかうひざにもるまじきが
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
人魚のひいさまも、いったいどんなにうつくしいのか、はやくそのひとをみたいものだと、気にかかっていましたが、いまみて、いかにも人がらの優美ゆうびなのに、かんしんしずにはいられませんでした。
幼稚園では、遊戯ゆうぎを教えてくれる。音楽にあわせて、簡単な舞踊ぶようのようなものを教えてくれる。たとえば、「黄金虫こがねむしは金持ちだ」というの類である。それは、或る意味では、優美ゆうびであり、可愛らしい。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
いかにも上品に軍服ぐんぷくのボタンのあなにナプキンをはさんでひざの上に広げた。それからパンをさいて、お酒を飲む優美ゆうびなしぐさといったらない。
またこの一番後いちばんのち時代じだい奈良朝ならちようごろになると、勾玉まがたまかたちがコといふかたちのように、かくばつてうつくしくありませんが、ふる時代じだい勾玉まがたまはなか/\優美ゆうびかたちをして、そのあたまあなのところに
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
一七、ほんとうに優美ゆうびうた
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)