“此地”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ここ32.8%
こっち17.2%
このち15.5%
こゝ13.8%
こつち6.9%
こち5.2%
こちら3.4%
こけ1.7%
こヽ1.7%
コノクニ1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この子供の親父(おやぢ)は今此地(ここ)にゐねえんです、東京さ稼ぎに行つてるんで、妹はこの子供を連れて、ひと月ばかり前に私を頼つて來たんです。
嘘をつく日 (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
串戯じゃない、……いや、その串戯ではない座敷の上段へ、今夜も通された——サの字の謎から、ずっと電車で此地(こっち)へ来てだよ。……
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
若(も)し此地(このち)に過去の背景があるとすればそれは山の手なる天主堂の壁にかけてある油絵が示してゐるやうな、悲壮なる宗教迫害史の一節か
海洋の旅 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
山間の私雨(わたくしあめ)といふ言葉は實に斯樣(かう)いふのをいふのであらう。我等は此地(こゝ)の探勝を他日の樂みにして復(ふたゝ)び車上の人となつた。
華厳滝 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
此地(こつち)の與力(よりき)は皆(み)な贅澤(ぜいたく)だと、かね/″\聞(き)いてゐたが、しかしこれほどだとは思(おも)はなかつた。お蔭(かげ)で但馬(たじま)、歌舞伎役者(かぶきやくしや)の座頭(ざがしら)にでもなつたやうな氣(き)がする。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
それやこれやを種〻(いろ/\)と案じた末に浮んだは一年か半年ほど清吉に此地(こち)退かすること、人の噂も遠のいて我夫の機嫌も治つたら取成し様は幾干も有り
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
傳「へい私(わっち)も久しく此地(こちら)に居りますからお顔は知って居ります、私は廣藏親分の処(ところ)に居る傳次と云う魚屋でございますが親分の厄介者(やっけえもの)で」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
此地(こけ)え来て渋川で一円に一升の仲間入をして居る峯松だ、大概(てえげえ)にしやアがれ、馬鹿にするな
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
其れから御坊(ごばう)は昔願泉寺と云ふ真言宗(しんごんしう)の御寺(おてら)の廃地であつたのを、此の岡崎は祖師親鸞上人(しんらんしやうにん)が越後へ流罪(るざい)と定(きま)つた時、少時(しばらく)此地(こヽ)に草庵(さうあん)を構へ、此の岡崎から発足(はつそく)せられた旧蹟だと云ふ縁故(ゆかり)から
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
此地(コノクニ)へ度らまく欲(ホリ)つれども、度らん由無かりし故に、海の和邇(ワニ)を欺きて言いけらく、吾と汝と族(トモガラ)の多き少きを競べてん。
比較神話学 (新字新仮名) / 高木敏雄(著)