他日たじつ)” の例文
他日たじつ海底戰鬪艇かいていせんとうていが、帝國軍艦旗ていこくぐんかんきひるがへして、千艇※艦せんていばんかんあひだつのときねがはくばそのごとく、神速しんそくに、猛烈まうれつならんことのぞむのです。
活字にせられたものは、未発表の部分の単なる標本としてこれを取扱い、他日たじつ全部公開の機会の到来を待つより外にみちがない。
娘時代に我が理想なぞという生意気な心を出すのは他日たじつ身を不幸の地におとしいれるもとだとよく兄が申しますから私は決して未来の事を自分では考えません
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
たいこの規則きそくでさせること規則きそく其物そのものそんしてゐるあひだすなは規則きそくにはまつてあひだはよろしいが、他日たじつ境遇きやうぐうはると、一方ひとかたならぬ差支さしつかへしやうずることがありませう。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
たゞ震災防止しんさいぼうしにつき、少年諸君しようねんどくしや現在げんざい小國民しようこくみんとしても、また他日たじつ國民人物こくみんじんぶつ中堅ちゆうけんとしても自衞上じえいじよう、はた公益上こうえきじよう必要ひつようくべからざる事項じこう叙述じよじゆつせんとするものである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
「ドノバン君、ぼくらはきみらが他日たじつ、きょうの決意を悔恨かいこんする日のきたらんことをいのるよ」
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
死ぬのがいやであった。それで他日たじつを約して、あなたの要求をしりぞけてしまった。私は今自分で自分の心臓を破って、その血をあなたの顔にびせかけようとしているのです。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
硯友社けんいうしや沿革えんかくいては、他日たじつすこぶくはしく心得こゝろえこゝにはわづか機関雑誌きくわんざつし変遷へんせん略叙りやくじよしたので、それも一向いつかう要領えうりやうませんが、お話をる用意が無かつたのですから、這麼こんなこと御免ごめんかふむります
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
妾は近頃になく心の清々すかすがしさを感ぜしものから、たとえばまなこを過ぐる雲煙うんえんの、再び思いも浮べざりしに、はからずも他日たじつこの女乞食と、思いもうけぬ処に邂逅であいて、小説らしき一場いちじょうの物語とは成りたるよ。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
もちろん他日たじつ、君にはうんと報酬ほうしゅうを払うことを約束する
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
おまへは、他日たじつ一人ひとりの男として
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
其後そのゝち一高軍いつかうぐんもの見事みごと復讎ふくしゆうげたであらうが、いまだならばわたくしひそかに希望きぼうしてるのである、他日たじつ我等われらこの孤島こたうつて日本につぽんかへつたのち武村兵曹たけむらへいそう軍艦ぐんかんじやう
されば家塾かじゆく放任主義はうにんしゆぎおこなふのは畢竟ひつきやう獨立心どくりつしんやしなためであつて、このせまちひさな家塾かじゆく習慣しふくわんをつけてくのは他日たじつおほひなる社會しやくわいひろ世界せかいことけない仕度したく御在ございます。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
随分ずゐぶんわたし思違おもひちがひも多からうと思ひます、それ他日たじつたゞします
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
讀者どくしや諸君しよくん! わたくしこの海底戰鬪艇かいていせんとうてい他日たじつ首尾しゆびよく竣工しゆんこうして、翩飜へんぽんたる帝國軍艦旗ていこくぐんかんき艇尾ていびひるがへしつゝ、蒼波さうは漫々まん/\たる世界せかい海上かいじやううかんだときはたして如何いかなる戰爭せんさうむかつて第一だいいち使用しようされ