“ぶつか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
衝突23.1%
打撞17.9%
打衝11.5%
打附7.7%
打着5.1%
打突5.1%
物價3.8%
打欠3.8%
打付2.6%
撞着1.3%
仏家1.3%
打合1.3%
打懸1.3%
打注1.3%
打砕1.3%
擲附1.3%
物価1.3%
直面1.3%
行当1.3%
衝合1.3%
衝着1.3%
衡突1.3%
遭遇1.3%
邂逅1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
入口のドアに走り寄って、鉄かと思われるほど岩乗がんじょうな、青塗の板の平面に、全力を挙げて衝突ぶつかってみた。暗い鍵穴を覗いてみた。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ぼんやりうつむいている多津吉を打撞ぶつかったように見ると、眉はきりりとしたが優しい目を、驚いたさまみはりながら、後退あとじさりになって隠れたが。
おまえがさわくるいたいとおもったなら、たかやまうえへでも打衝ぶつかるがいい、それでなければ、よるになってから、だれもいないうみなかなみ相手あいてたたかうがいい。
明るき世界へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
くわえたまんま、待てよ、どっこい、と言うたびに、煙管きせる打附ぶつかりそうになるので、抱かれたは、親仁より、余計にひたいしわを寄せて、雁首がんくびねらって取ろうとする。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
丁度それが眉間みけん打着ぶつかつて血が淋漓だらだら流れて、顔が半分真赤に成つて了つた。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そこでこわごわあちこち歩いた末に、往来の人に打突ぶつかったり、垣などに打突ったりして、遂には村はずれまで行って、何処かの空地に逃げ込むより外はない。
……なかがせゝつこましく、物價ぶつか騰貴とうきしたのでは、そんな馬鹿ばか眞似まねはしてられない。しかし時節じせつのあのこゑは、わたしおもれずきである。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
兵隊になつて戦争に行つたものの話に、ロスケの残して置いた酒を飲むには、瓶の口を銃剣で打欠ぶつかいたと云ふことだが、生憎あいにく瓶の口を欠くやうな物を持ち合せない。周囲まはりには手頃の石もない。
金貨 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
楯をも貫くべき雨の打付ぶつかり来る度撓む姿、木の軋る音、もど姿さま、又撓む姿、軋る音、今にも傾覆くつがへらんず様子に、あれ/\危し仕様は無きか、傾覆られては大事なり、止むる術も無き事か
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
矢張やっぱり私共でなければ出来ぬ高尚な事のように思って、しきりに若い女に撞着ぶつかりたがっているうちに、望む所の若い女が遂に向うから来て撞着ぶつかった。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
人生の研究というような高尚な事でも、私なぞの手に掛ると、詰り若い女に撞着ぶつかりたいなぞという愚劣な事になって了う。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
これらは八三顔子がんしが一ぺうあぢはひをもしらず。かくつるを、八四仏家ぶつかには前業ぜんごふをもて説きしめし、八五儒門には天命と教ふ。
がちゃんと烈しく打合ぶつかる音が聞えました。
死者の権利 (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
翌朝あくるあさは、グツスリと寝込んでゐる所をお八重に起されて、眠い眼をこすり/\、麦八分の冷飯に水を打懸ぶつかけて、形許かたばかり飯を済まし、起きたばかりの父母や弟に簡単な挨拶をして
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
肝心の時は逃げ出して今頃十兵衞が周囲に蟻のやうにたかつて何の役に立つ、馬鹿ども、此方には亡者が出来かゝつて居るのだ、鈍遅どぢめ、水でも汲んで来て打注ぶつかけて遣れい
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
過日の夜は実は我も余り汝を解らぬ奴と一途に思つて腹も立つた、恥しいが肝癪も起し業もにやし汝の頭を打砕ぶつかいて遣りたいほどにまでも思ふたが、然し幸福しあはせに源太の頭が悪玉にばかりは乗取られず
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
雖然けれどもおどろくぢやありませんか。突然いきなり、ばら/\と擲附ぶつかつたんですからね。なにをする……もなんにもありはしない。狂人きちがひだつてこと初手しよてかられてるんですから。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「さうですね、そのへんつてゐるやうなちひさないしでも、戦争後せんさうご物価ぶつかがちがひますからな、五六千円せんゑんはかゝるつもりでないと出来できません。」
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
一つの疑いに直面ぶつかるにきまっている。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
それは虎蔵が今日こんにちまで幾度となく、あこがれ望んでいながら、一度も行当ぶつかった記憶おぼえのない種類の扉であった。
白菊 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
いがみ合っている仲だとすると絶えず姿を見ているだけ憎みも怨みも益々溜まって、不和が一層不和になり、しまいの果てには衝合ぶつかり合う。
死の復讐 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
障子が端手はしたなくガラリといたから、ヒョイとかおあげると、白い若い女の顔——とだけで、其以上の細かい処は分らなかったが、何しろ先刻さっき取次に出たのとは違う白い若い女の顔と衝着ぶつかった。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
しばら火鉢ひばちからつて、せまかべからかべ衡突ぶつかつて彷徨さまようすけぶり疾風しつぷうためぐにごうつと蹴散けちらされてしまつた。せま小屋こやうちはそれからしづんだ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
人は往々にして、真の驚異や、真の感激や、真の美意識に遭遇ぶつかった時、時間とき空間ところとを忘却わすれるものであるが、この時の二人がまさにそれであった。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それじゃア手前は『夫婦めおと斬り』だな! こいつアい所で邂逅ぶつかった。逢いてえ逢いてえと思っていたのだ。ヤイ侍よく聞きねえ。
柳営秘録かつえ蔵 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)