“つもり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
心算48.6%
28.5%
12.8%
心意2.1%
所存1.7%
津守1.0%
設計0.7%
予算0.3%
0.3%
心計0.3%
意志0.3%
意衷0.3%
所思0.3%
0.3%
目的0.3%
目算0.3%
算段0.3%
結局0.3%
0.3%
都合0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
人を莫迦ばかにするのも、好い加減におし。お前は私を何だと思つてゐるのだえ。私はまだお前にだまされる程、耄碌まうろくはしてゐない心算つもりだよ。
アグニの神 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
わたいを口説く気で、うござんすか。まったくは、あの御守殿より、私の方が口説くにはむずかしいんだから、そのつもりで、しっかりして。」
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「どうするつもりもないが、境遇のため眠ってるヒューマニチーの眼を覚まさせるため、真面目まじめな職業なり学問なりを与えてやりたいのだ」
二葉亭余談 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
「玄蕃が浪々のうちはとにかく、京極家という後ろ楯のついた今日、当家を去って誰を力に本懐を遂げる心意つもりじゃ」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「実用向きで何の用に立つのか」という所存つもりであろう。それに答えるのも、ファラデーの場合にはむずかしくはない。
「いや、知つてはゐなかつたのでせう。住の江の忘れ草が何であるかといふことは、津守つもり家の口伝くでんで、世間のものはただ勝手にそれを想像してゐるに過ぎなかつたのですからな。」
汝はなんのゆかりもないなり、我は先口、汝は後なり、我は頼まれて設計つもりまでしたに汝は頼まれはせず、ひとの口から云うたらばまた我は受け負うても相応、汝が身柄がらでは不相応と誰しも難をするであろう
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そのことについて大いに談じ合う予算つもりで工場に駈けつけたのだが、職工達は「おっとどっこい」——と許り門のところで堰き止められた。
お菜のない弁当 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
河原から上がって、彼を追うと、お杉隠居も、もしお通が逃げるつもりではないかと狼狽あわてだしたように、すぐ後ろから駈け上がってゆく。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ト言ったその声が未だ中有ちゅうう徘徊さまよッている内に、フト今年の春向島むこうじま観桜さくらみに往った時のお勢の姿を憶出し、どういう心計つもり蹶然むっくと起上り、キョロキョロと四辺あたり環視みまわして火入ひいれに眼をけたが
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「いったい君は、今度の金を返す意志つもりなのか、意志でないのか、はっきりと言ってみたまえ」
遁走 (新字新仮名) / 葛西善蔵(著)
主人の家内のめひに当ります者が、内に引取つて御座いまして、これを私にめあはせやうと云ふ意衷つもりで、前々ぜんぜんからその話は有りましたので御座いますが、どうも私は気が向きませんもので
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
わたくしとしてはべつにそんなことをしようという所思つもりはなく、ただこころにこの正直しょうじき婦人ふじんをいとしい女性じょせいおもっただけのことでしたが、たまたまみぎ婦人ふじんがいくらか霊能れいのうらしいものをっていために
其れで一週間程で帰るつもりだから、其間に松島との縁談、く考へて置いて呉れ、わしは決してお前の利益ためにならぬ様なこと勧めるのぢやない、——兼てお前は別家させるつもり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
これでもまだまだ見えをする気か、五銭の白銅一個ひとつ渡して見返りもせぬ心の内、今度呼んだら剰銭つりは要らぬと、腹を見せる目的つもりところ、何がさて如才なく令嬢は素知らぬ顔なり。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
仕方を見せて見物を泣かせる目算つもりのあてはずれ、発奮はずみで活歴を遣って退け、手痍てきず少々負うたれば、破傷風にならぬようにと、太鼓大の膏薬こうやくを飯粒にて糊附はりつけしが、歩行あるくたびに腹筋はらすじよれて、びっこき曳き
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……もっとも友吉おやじがその筋の手にかかったのはこの時が皮切りだったから、あるいは余計な事でも饒舌しゃべられては困る……という算段つもりだったかも知れないがね……。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「さあ、さっぱりとお心持よく此盃これあがって、そしてお結局つもりになすったがようございましょう。」
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
若哉もしや異國船共參申候はゞ、君臣之節不相失處迄は相盡つもりにて、政照など至極之決心にて、外兩人義民相募あひつのり、三人は必至に罷成居申候間、是等の事ども樂しみにて相暮居候事に御座候。
遺牘 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
引止められるのを振切ってこれから大阪へ下ろうという都合つもり