“火入”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひいれ80.0%
ひい20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
出家は、上になんにもない、小机こづくえの前に坐って、火入ひいればかり、煙草たばこなしに、灰のくすぼったのを押出おしだして、自分も一膝ひとひざ、こなたへ進め
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
頭陀ずたの中から結構な香を取出し、火入ひいれの中へ入れまして、是から香を薫き始め、禅宗の和尚様の事だから、ねんごろに御回向がありまして
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
火入ひいれにべた、一せんがおさだまりの、あの、萌黄色もえぎいろ蚊遣香かやりかうほそけむりは、脈々みやく/\として、そして、そらくもとは反對はんたいはうなびく。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
じゃこの芳年よしとしをごらんなさい。洋服を着た菊五郎と銀杏返いちょうがえしの半四郎とが、火入ひいりの月の下で愁嘆場しゅうたんばを出している所です。
開化の良人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)