“一膝”の読み方と例文
読み方割合
ひとひざ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
出家は、上になんにもない、小机こづくえの前に坐って、火入ひいればかり、煙草たばこなしに、灰のくすぼったのを押出おしだして、自分も一膝ひとひざ、こなたへ進め
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
抗弁をしようとして御面師は一膝ひとひざ乗り出したのだが、自分もやはり担がれる部の補欠になっているのかと気づくと、舌がって言葉が出せぬらしかった。
鬼涙村 (新字新仮名) / 牧野信一(著)
ぐっと一膝ひとひざ乗り出した歌麿の眼は、二十の男のような情熱に燃えて、ともすれば相手の返事も待たずに、その釣鐘型の乳房へ、手をれまじき様子だった。
歌麿懺悔:江戸名人伝 (新字新仮名) / 邦枝完二(著)