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一膝
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ひとひざ
ふりがな文庫
“
一膝
(
ひとひざ
)” の例文
出家は、上に
何
(
なん
)
にもない、
小机
(
こづくえ
)
の前に坐って、
火入
(
ひいれ
)
ばかり、
煙草
(
たばこ
)
なしに、灰のくすぼったのを
押出
(
おしだ
)
して、自分も
一膝
(
ひとひざ
)
、こなたへ進め
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
抗弁をしようとして御面師は
一膝
(
ひとひざ
)
乗り出したのだが、自分もやはり担がれる部の補欠になっているのかと気づくと、舌が
吊
(
つ
)
って言葉が出せぬらしかった。
鬼涙村
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
ぐっと
一膝
(
ひとひざ
)
乗り出した歌麿の眼は、二十の男のような情熱に燃えて、ともすれば相手の返事も待たずに、その釣鐘型の乳房へ、手を
触
(
ふ
)
れまじき様子だった。
歌麿懺悔:江戸名人伝
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
女将が眼を白くして
首肯
(
うなず
)
きながら襟元を突越した。椅子の上から
一膝
(
ひとひざ
)
進めた。
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
もう
一膝
(
ひとひざ
)
私が乗り出したといったならば、もはやこれ以上くだくだしくいわずとも、この物語がこの病青年から出たものであるということは、読者にもおわかりになったであろうと思われる。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
▼ もっと見る
一膝
(
ひとひざ
)
にじり出た。そして志津子夫人は涙ぐんだ。どれだけ会いたかったことか。どれだけ待っていたことか。身じまいをしている間も、そわそわして、あれも話そうこれも語ろうと考えていたのだ。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
権六が、
一膝
(
ひとひざ
)
前に、身を揺り出した時だった。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
月の夢を見るようなれば、変った望み、と疑いの、胸に起る雲消えて、僧は
一膝
(
ひとひざ
)
進めたのである。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鳳仙花
(
ほうせんか
)
の
叢
(
くさむら
)
を
視
(
なが
)
めながら、
煙管
(
きせる
)
を
横銜
(
よこぐわ
)
えにしていた
親仁
(
おやじ
)
が、
一膝
(
ひとひざ
)
ずるりと
摺
(
ず
)
って出て
栃の実
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と懐を広く、
一膝
(
ひとひざ
)
出ながら
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
捻平
座蒲団
(
さぶとん
)
を
一膝
(
ひとひざ
)
出て
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
膝
常用漢字
中学
部首:⾁
15画
“一”で始まる語句
一
一人
一寸
一言
一時
一昨日
一日
一度
一所
一瞥