暗夜の白髪やみのしらが
最早九年ばかり以前の事だ、当時私の宅へよく遊びに来た芝警察署詰の某氏の実見談である。その男というのはその時分丁度四十一二ぐらいで、中々元気な人だったし、且つ職務柄、幽霊の話などは初から「何んの無稽な」と貶した方だった、がしかしその男がこの時 …
作品に特徴的な語句
てん 恐怖おそろし 種々しゅじゅ 如何どん いず げん づめ 同様おなじよう 如何どう あた はず とざ あが わき さいわ あるい 此方こっち あかり おこ 一言いちごん 偶然ふと すべ いん あっ 家主やぬし 家内うち 形跡あと のち 徹夜よあかし 思出おもいだ 悪寒さむけ かか ひま 最早もう 洗晒あらいざら 無稽ばか すぐ 矢張やはり 簾越すだれごし 落胆らくたん はな まよい 一切いっさい 一寸ちょっと 一躰いったい 丁度ちょうど 上方かみがた 中々なかなか 中旬なかば 何分なにぶん 何時いつ そば 其処そこ かね 円窓まるまど 初旬はじめ 判然はっきり 勿論もちろん 口惜くや 吃驚びっくり きみ はなし 四辺あたり たま 安値やす 実見じっけん うち 家主いえぬし 小金こがね 屋賃やちん とこ 建方たてかた 引移ひきうつ 後々のちのち 怨憤うら 恰度ちょうど ある 所々ところどころ 手拭てぬぐい 手燭てしょく 故旧こきゅう ななめ 早速さっそく 時日じじつ つき 木犀もくせい 枕許まくらもと はやし 椽側えんがわ 此処ここ