山さち川さちやまさちかわさち
昔、紀州の山奥に、与兵衛といふ正直な猟夫がありました。或日の事いつものやうに鉄砲肩げて山を奥へ奥へと入つて行きましたがどうしたものか、其日に限つて兎一疋にも出会ひませんでした。で、仕様事なしに山の頂から、ズツと東の方を眺めて居ますと、遙か向 …
作品に特徴的な語句
いぢ あが うしろ つかま 敏捷びんせふ みん 真直まつすぐ わし 追駈おつかけ たち あめのうを 丁度ちやうど かみ のば うさぎ 射殺うちころ ゆす つゑ 猟夫かりうど しか 紀州きしう なは 蜒々うねうね 這上はひあが 釣竿つりざを なが 乳房ちぶさ 乳頸ちくび 信次しんじ おれ かさ その 其日そのひ 取捲とりま 取縋とりすが 叮嚀ていねい しか あき 周章あわ うな 土瓶どびん すわ まみ 子猿こざる うち 射取うちと 引摺ひきず 弾丸たま 彼所あすこ 彼等かれら 或日あるひ すく つか かし 歯齦はぐき 死骸しがい ふち くま くす ねら 独語ひとりごと さる 田圃たんぼ ぴき 白髪しらが なが 立竦たちすく はず いかだ すが かた ひざ ぜん つる 藪影やぶかげ えり のぞ すべ 退 逸早いちはや はる かしら