『若菜のうち（わかなのうち）』

春の山——と、優に大きく、申出でるほどの事ではない。われら式のぶらぶらあるき、彼岸もはやくすぎた、四月上旬の田畝路は、些とのぼせるほど暖い。 修善寺の温泉宿、新井から、——着て出た羽織は脱ぎたいくらい。が脱ぐと、ステッキの片手の荷になる。つ …

著者	泉鏡花
ジャンル	文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆
初出	「大阪朝日新聞」1933（昭和8）年2月5日
文字種別	新字新仮名
読書目安時間	約7分（500文字/分）
朗読目安時間	約11分（300文字/分）

作品に特徴的な語句

香（かぐわ） 幼児（おなさご） 挿（かざし） 最（もっと） 指示（しめし） 女（め） 怯（おびや） 今日（こんち） 前刻（せんこく） 傍（わき） 白銀（はくぎん） 眩（まばゆ） 童（わらわ） 行（や） 連（つらな） 魅（つま） 些（ち） 刈（かり） 匂（におい） 尖（さき） 岐路（えだみち） 暖（あたたか） 柄（がら） 熟（じっ） 縁（えん） 自（おのずか） 草堤（くさづつみ） 菓汁（つゆ） 薄（すすき） 読（よみ） 隙（ひま） 障碍（しょうげ） 一条（ひとすじ） 上（のぼ） 丘下（おかした） 中折（なかおれ） 交（まじ） 仙家（せんか） 仰向（あおむ） 児（こ） 兜（かぶと） 其処（そこ） 処（ところ） 出端（でばな） 分入（わけい） 刷（は） 名樹（めいじゅ） 唐突（だしぬけ） 噴（ふ） 囁（ささや） 園女（そのじょ） 垂穂（たりほ） 大師（だいし） 好（い） 姉（ねえ） 姉妹（きょうだい） 婦（おんな） 容子（ようす） 小母（おば） 小鼓（こつづみ） 尾花（おばな） 山懐（やまふところ） 山裾（やますそ） 川柳（せんりゅう） 布子（ぬのこ） 幼児（おさなご） 幾重（いくえ） 庇（かば） 彼処（かしこ） 彼岸（ひがん） 径（みち） 後見（こうけん） 微笑（ほほえ） 忽（たちま） 惣菜（そうざい） 慾張（よくば） 懐紙（かいし） 掌（てのひら） 揃（そろ） 撫（な） 斉（ひと） 斜（ななめ） 新井（あらい） 暢気（のんき） 杖（つえ） 柄（え） 桂川（かつらがわ） 欄干（らんかん） 歩行（ある） 泣出（なきだ） 洟（はな） 涎（よだれ） 淡（うす） 潜（くぐ） 灯（ひ） 烏（からす） 煎餅（せんべい） 熊坂（くまさか） 熟柿（じゅくし） 犢（こうし）