鼠輩そはい)” の例文
以てはえを追うような、もったいないことはなさらないでください。彼が如き鼠輩そはいを追うには、私でたくさんです。私をおつかわし下さい
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
余輩は区々たる一二鼠輩そはいを相手に論議する事を好まずと雖も、陋劣なる平凡主義者の実例として更にいささか記する処なき能はず。
警戒すべき日本 (新字旧仮名) / 押川春浪(著)
玄徳、孔明の鼠輩そはいだ。いや、この大陸大江に拠って生ける者としては、彼らの存在など鼠輩というもおろか、目高めだかのようなものでしかあるまい。いわんやこの曹操の相手としては
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
元兇をただすなく、末端末梢の鼠輩そはいをからげて、天下の評定所を煩わしても、火災の火元に水をかけずに、火光の火影ほかげに水をそそいで、消火の大事をすましたとするようなものである。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「思いあがるをめよ、碧眼へきがんの小児、紫髯しぜん鼠輩そはい。まず聞け、まことの将のことばを」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それは不平組の楊奉と、白波帥はくはすいの山賊あがりの韓暹かんせんと、二人がしめし合わせて、大梁たいりょうへ落ちて行ったものです。——将軍の威望をそねむ鼠輩そはいの盲動。何ほどのことをしでかしましょうや。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)