黒紋附くろもんつき)” の例文
それは白襟しろえり黒紋附くろもんつきの礼服姿の女が、乱れかかった縮れ毛の束髪をがっくりとうなだれたまま、ドアの鴨居から床の上まで長々と裾を引きはえて吊り下がっているのであった。
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
兼た飯焚めしたきの男一人在れど是さへも使に出たる後なれば同胞きやうだい如何なる密談みつだんせしや知者しるものたえて無りけり斯て後庄兵衞は翌朝よくあさ五兩の金を調達こしらへ兄元益に遞與わたせしに此方は心得其金もてしちに入たる黒紋附くろもんつきの小そで羽織ばおり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)