黄泉路よみぢ)” の例文
が、素戔嗚はその上に、黄泉路よみぢの彼女を慰むべく、今まで妻に仕へてゐた十一人の女たちをも、埋め殺す事を忘れなかつた。女たちは皆、装ひをらして、いそいそと死に急いで行つた。
老いたる素戔嗚尊 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
あゝくらき黄泉路よみぢの巌に、 その小きもて得なんや。
文語詩稿 五十篇 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
黄泉路よみぢとばかり、「惡」の祕所ひそ
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
黄泉路よみぢさはりとなるはその方どもの未来なり、その方どもは心得悪しく、切支丹きりしたんの御宗門にも帰依きえし奉らず候まま、未来は「いんへるの」と申す地獄にち、悪魔の餌食とも成り果て候べし。
糸女覚え書 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)