鳳凰堂ほうおうどう)” の例文
奥山閣から——花屋敷とよばれた中にあった、宇治の鳳凰堂ほうおうどうのような五層楼——凌雲閣をにらむ人に正直正太夫しょうじきしょうだゆう緑雨醒客りょくうせいきゃくのあるのも面白い。
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
それが漸次変化して鳳凰堂ほうおうどう壁画のようになったということには、見のがし難い大問題が含まれているように思う。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
十世紀にできた宇治うじ鳳凰堂ほうおうどうには今もなお昔の壁画彫刻の遺物はもとより、丹精たんせいをこらした天蓋てんがい、金をき鏡や真珠をちりばめた廟蓋びょうがいを見ることができる。
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心岡倉覚三(著)
一つぐらいありそうなものだ。仏像とは限らぬ。法隆寺天蓋てんがいの天人をみても、薬師寺東塔水煙の天女を仰いでも、或は宇治平等院鳳凰堂ほうおうどうの雲上供養仏くようぶつに接しても、翼はみあたらない。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)