鳥羽殿とばどの)” の例文
たしか彼が十八歳の時と思いますが、鳥羽殿とばどのの宝蔵に五畿内随一といわれた賊二人が逃げこんだことがありました。
鳥羽殿とばどの白河殿しらかわどのなども修理すりせさせたまひて常にわたりすませ給へどなお又水無瀬といふ所にえもいはずおもしろき院づくりしてしば/\通ひおはしましつゝ春秋の花もみぢにつけても御心ゆくかぎり世を
蘆刈 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
五月雨に築土ついぢくづれし鳥羽殿とばどののいぬゐの池におもだかさきぬ
みだれ髪 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
鳥羽殿とばどのへ五六騎いそぐ野分かな
俳人蕪村 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
治承四年正月一日、法皇の鳥羽殿とばどのには、人の訪れる気配もなかった。入道相国の怒り未だとけず、公卿たちの近づくのを許さなかったし、法皇も清盛をはばかっておられたからである。
鳥羽殿とばどのへ五六騎いそぐ野分かな
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)