高野川たかのがわ)” の例文
部屋の前はひろい河原で、玉砂利と雑草とをう幾すじもの清冽せいれつは、加茂かもの水と高野川たかのがわの末がここで落ちあっているのだと、やわらかい京言葉をもつ小間使に教えられた。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
七条から一条まで横につらぬいて、けぶる柳の間から、ぬくき水打つ白きぬのを、高野川たかのがわかわらに数え尽くして、長々と北にうねるみちを、おおかたは二里余りも来たら、山はおのずから左右にせまって
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)