高巾子カウコンジ)” の例文
其上に、「近衛御門に巾子落いつ」などになると、踏歌に出る仮装者の高巾子カウコンジや、其に関聯して中門口の行事などが思ひ浮べられる。
高巾子カウコンジの異風行列は、山人でもなかつた。万葉集には、元正の行幸が添上郡の「山村」にあつた事と歌とを記してゐる。
翁の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
譬へば、踏歌節会の高巾子カウコンジのことほぎ一行の顔は、正しくはのっぺらぽうの物だつたらしいのです。即、安摩アマ蘇利古ソリコに近いものだつたのです。
翁の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
上元の行事たる踏歌節会タウカノセチヱの夜に、ことほきびとの高巾子カウコンジなどにやつした異風行列の練り歩くのも、此群行のなごりである。
正月十四日の夜、宮中で行はれた男踏歌には、高巾子カウコンジといふ白張りの高い巾子を著けて、踊つて出た。踊つて出るものは、綿で顔を蔽うて出た。勿論、絹綿マワタであらう。
はちまきの話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)