驀直まっしぐら)” の例文
この見識の高い風采ふうさいの堂々たる武者修行者、弟子を眼中に置かず、驀直まっしぐらに師匠に戦いをいどんで来る修行者の手のうちは測り難いから、勝たぬまでも
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
あれはと見る間に早や近々ちかぢかと人の形。橋の上を流るるごとく驀直まっしぐらに、蔵屋へ駆込むとひとしく、床几しょうぎの上へひびきを打たせて、どたりと倒れたのは多磨太である。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ここで無心ということは、ぼんやりとか冷淡になってとかいう意味ではありません。驀直まっしぐらに傍目も振らずという意味であります。無心とは「迷いの心なく、ひたすらに」という意味であります。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)