駆歩かけあし)” の例文
羅馬ロオマ七日なぬか、ナポリとポンペイに二日ふつかと云ふ駆歩かけあしの旅をして伊太利イタリイから帰つて見ると、予が巴里パリイとゞまる時日は残りすくなくなつて居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
なるほどはるか向うの街道を騎馬の人が駆歩かけあししている。駆歩する馬のしりえには少しずつ土げむりが立って見える。
玉菜ぐるま (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
あしの長い、駆歩かけあしに慣れたフランス人にはなかなか及ばない。水兵はもう端艇に乗り移ろうとする。
堺事件 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
さて庭を横切って、寺の門を出るや否や、公使を包擁ほうようした兵卒は駆歩かけあしに移って港口へ走った。
堺事件 (新字新仮名) / 森鴎外(著)