饗応ごちそう)” の例文
旧字:饗應
父も母も呼んで来て引き合せたうえで、おおい饗応ごちそうをして、その日から老人にいてもらおうと思って、老人にそのことを云ってみると、老人は
港の妖婦 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
政雄に同情を持っていた対手あいての運転手は政雄をカフェーへれて往って饗応ごちそうをしてくれたので、それがために遅くなって宿へ帰ったのは夜の十一時ごろであったが
女の怪異 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
しばてんの話も、それといっしょによく聞かされた。しばてんは小供の姿をしていた。それは親類の許から饗応ごちそうになって帰って来る村の男の前にちょこちょこと出て来た。
村の怪談 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
どこからともなしに飄然ひょうぜんとやって来ては、石をかえるにしたり、壁へ女の姿を現わしたりして見せて、そのあと饗応ごちそうって帰って往ったのですが、それから一箇月ばかりすると
港の妖婦 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
酒屋では初七日の法事をしてその後で親類や隣の者に精進料理の饗応ごちそうをしたので、朝から非常に忙しかったが、夕方になるとその客もやっと帰ったので、家内は十時比になって寝てしまった。
餅を喫う (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「それでは折角のお詞でございますから、饗応ごちそうにあずかりましょう」
義人の姿 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「今日は思いがけない饗応ごちそうに預りまして、ありがとうございます」
人面瘡物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
老人はその姉女あねむすめを呼んで、饗応ごちそうだと云って剣を使わせたのですが、それは私に死の命令をしたものです、しかし、むすめは私をかばってくれたのです、何も知らない私は、老人がどうしても帰さないので
港の妖婦 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
讓はさっさと一ぱい饗応ごちそうになってから帰ろうと思った。
蟇の血 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「あれは、先生に肉を饗応ごちそうした鯉でございますわ」
水郷異聞 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「私の知った処へ寄らない、饗応ごちそうするよ」
水魔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)