風祭かざまつり)” の例文
春の雹祭ひょうまつり、秋の風祭かざまつりは毎年の例である。彼が村の人になって六年間に、此八幡で秋祭りに夜芝居が一度、昼神楽ひるかぐらが一度あった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
(中略。)暮合くれあひ福住を出で、風祭かざまつりより松明たいまつにて(道を照し、)小田原大清水家に投宿す。元小清水泊の所、指合さしあひにて、隣家にて食事を辨じ、一宿す。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
築地の稲葉家の屋敷の咳の爺婆は、以前は小田原から箱根へ行く路の、風祭かざまつりというところの路傍にあったのを、江戸へ持って来たものだということであります。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
相州箱根の口の風祭かざまつりという村は、後に築地つきじへ持って来たせきの姥の石像のあったところですが、その近くにも大登山秋葉寺だいとうざんあきばじという寺があって、いつの頃からか三尺坊を迎えて祀っています。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)