頽廢たいはい)” の例文
新字:頽廃
不思議な水々しさがあり、若さといと、青春と頽廢たいはいとの一種の交錯が、屈從と諦らめとに慣れた態度の下に、何にかのはずみで隱見するのでした。
靜寂ひつそり人氣ひとけのなくなつたとき頽廢たいはいしつゝあるその建物たてもの何處どこにも生命いのちたもたれてるとはられぬほどかなしげであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
激しい精神の動搖から生活は果しもなく不聰明に頽廢たいはい的になる許りであつた。
業苦 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
平次の經驗から言つても、娼婦肌の凄い女で、男を夢中にさせるのは、大抵斯う言つた、眼鼻立のチグハグな、一種の不調和から來る、頽廢たいはい的な魅力を持つた女に多いやうです。
肉の頽廢たいはいを思はせるものであつたにしても、充分に異性の注意を牽く魅力があり、その若かりし半生の生活が、どんなに不道徳で、そして病的なものであつたかは、その皮膚の色を見ただけでも