じゆ)” の例文
そして同宿であつた老僧ビイメンの教へてくれた、悪魔除のじゆを読み始めた。それから筋張つた脛で、痩て軽くなつた体を支へて起き上つて、跡を読み続けようとした。
その常に戴けるかち色の帽は耳を隱すまで深く引き下げられたり。寺院の鐘は鳴り渡れり。紫衣の若僧の一行あり。じゆを唱へて過ぐ。捧ぐる所の磔像たくざうには、新に摘みたる花の環を懸けたり。
「イエス・クリストよ。神の子よ。我等に御恵みめぐみを垂れ給へ。」先づかう唱へて、それからじゆを一つじゆした。頌がまだをはらぬうちに、どこからか雀が一羽飛んで来て地の上に下りた。