面赭かおあか)” の例文
面赭かおあかく、耳あおく、馬ばかりなる大きさのもの、手足に汚れた薄樺色うすかばいろの産毛のようで、房々としてやわらかに長い毛が一面の生いて、人かけだものかを見分かぬが、朦朧もうろうとしてただ霧をつかねて鋳出いだしたよう。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)