面舵おもかじ)” の例文
てっきり、トロール船が来たのだと思い、面舵おもかじをとったり、取舵をとったりしたが、先方では一向避ける様子がない。
地震なまず (新字新仮名) / 武者金吉(著)
私も東屋氏もヨットの帆走セイリング法は心得ていたし、それにこのシックなマルコニー・スループは、恐ろしく船足が軽い。やがて私は、軽く面舵おもかじを入れた。
死の快走船 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
面舵おもかじ一杯に取って右舷に転舵、わずかに損傷を免れた汽缶も破れんばかりに重油をいて、ただ盲滅法南々東へ南々東へと針路を取っていたのであったが
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
少し面舵おもかじ、——そうだ、——ようそろ(註七四)、——面舵、——少し取舵とりかじ、——ようそろ、——ようそろ!