面晤めんご)” の例文
今の世の中にはあのようなものが芸術家を以て目せられるのも自然の趨勢であると思ったので、面晤めんごする場合には世辞の一ツも言える位にはなっている。
申訳 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
中学生と女学生だから親しい面晤めんごはなかったが、僕は途上でチョッカイをかけたことがある。
合縁奇縁 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
それから依頼の件は、六波羅殿へも運動しかけたが、ちと相国よりご不興をこうむるかどがあって、当分自分の扱いでは見込みもない。いずれ面晤めんごの折にはつぶさに——とある。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼の哀れな心を押し計って面晤めんごを許したが、もとより彼の望みは叶えるべくもなかった。
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
「このたびのこと、並々ならぬ分別。委細は面晤めんごにゆずるが、当座の歓びのしるしまでに」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)