たなび)” の例文
それが、群青ぐんじょうなまの陶土に溶かし込んだような色で、粘稠ねっとりよどんでいる。その水面に、みずちの背ではないかと思わせているのが、金色を帯びた美しい頭髪で、それが藻草のようにたなびいているのだよ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)