“片靡”の読み方と例文
読み方割合
かたなび100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
屋根の焼落つるたびに、美しく火花を散した火の子が高く上つて、やゝ風を得た火勢は、今度は今迄と違つて士蔵の方へと片靡かたなびきがして来た。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
「ほろりとも降らで月澄む」の十二字を以て、大旱の夜の空気を現した伎倆ぎりょうは尋常でない。蚊遣は片靡かたなびきもせず、作者の座右に細々とくゆりつつあるものと想像する。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)