青海せいかい)” の例文
ことに折竹は、西南奥支那の Hsifan territoryシフアン・テリトリー——すなわち、北雲南うんなん、奥四川しせん青海せいかい、北チベットにまたがる、「西域夷蛮地帯シフアン・テリトリー」通として至宝視されている男だ。
人外魔境:03 天母峰 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
青海せいかいの簾高く捲き上げて、前に廣庭を眺むる大弘間、咲きも殘らず散りもはじめず、欄干おばしま近く雲かとまがふ滿朶の櫻、今を盛りに匂ふさまに、月さへかゝりて夢の如きまどかなる影、朧に照り渡りて
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
しかし『西遊記』の書かれたと推定されている宋末元初げんしょの頃から見ると、ずっとふるいものである。古来白骨人のおさむるしとうたわれた青海せいかいのほとりには、その頃丁度八戒などもいたのであろう。
『西遊記』の夢 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)