雪身せっしん)” の例文
白山は、藍色あいいろの雲間に、雪身せっしんの竜に玉の翼を放ってけた。悪く触れんとするものには、その羽毛が一枚ずつ白銀しろがね征矢そやになって飛ぼう。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
見馴れた半纏はんてんを着ていません。よろいのようなおぶい半纏を脱いだ姿は、羽衣を棄てた天女に似て、一層いっそうなよなよと、雪身せっしんに、絹糸の影がまつわったばかりの姿。
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)