雑賀さいが)” の例文
紀州の畠山貞政はたけやまさだまさが、根来ねごろ雑賀さいが党などの一揆いっきをかたらい、海陸から大坂へ迫ろうとしている。勢い猛烈、油断ならずとある。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これは六十何年前のことで、ともに宇井可道翁の『璞屋随筆ぼくおくずいひつ』の中に載せられてあるという(雑賀さいが貞次郎君報)。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
四国、紀州の根来ねごろ雑賀さいが党などの危険分子にまず潰滅かいめつを与えておくために。さらに手近な、美濃や尾張の信雄恩顧おんこの諸将にたいし、利をもってそれを切り崩すために。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さる場合には、われらは、雑賀さいが根来ねごろの僧徒をかたらい、四国の長曾我部元親ちょうそかべもとちかどのは、瀬戸内の海賊衆をも引き具して、時を一つに、大坂表へ攻めのぼらんと存ずるのでござる
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この山伏は、光秀の発した密使ではないが、さきの偽盲にせめくらは、いうまでもなく明智の士雑賀さいがろうであった。光秀から毛利輝元へあてた一書を受け、二日の早朝、京都から立って来た者だ。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また虚に乗じて起るおそれのある根来ねごろ雑賀さいが土冦どこう的なものに対して、畠山貞政や筒井の一部をもってその抑えとし、さらに、雪なお解けぬ江越方面の境にも、秀吉は、手許の武将をいてまで
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)