階梯はしご)” の例文
下に階梯はしご降口おりくちがあるのを見ると、灯火あかりが障子へさして座敷がありそうに思いましたから、手灯てともしを吹消して階梯段を降りて参りまして
で、種馬見物は帰りにでもということにしてもらって、ぞろぞろと出迎いの歌人たちに交って階梯はしごを下りかける、すぐにランチに飛び移ると
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
階梯はしごが下されるや否や、私ははしけに乗りうつり、上陸するとホテルへかけつけて食事をし、その後町を散歩した。
と、二階の階梯はしごを上つたところに大きな姿見があつて、それにきまつてかれの頭髪かみの延びた蒼白い神経質な顔が映る。それがKには何となくきまりがわるかつた。
田舎からの手紙 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
山「へーえ、其の縁の下へ階梯はしごが掛って、床の下が通れるようになって、成程、で其処そこを覗くとどうなって居りました」
二階の階梯はしごをけたたましく踏鳴らして上って、芳子の打伏している机の傍に厳然として坐った。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
劇場しばいでいたす廻り舞台のようにぎゅーとひらきまして、不思議のことゝあとへ下りますと書棚の下に階梯はしご降口おりくちがありまして、あゝこんな所に階梯の降口はない筈だが
輪転機関のいえうごかす音と職工の臭い汗との交った細い間を通って、事務室の人々に軽く挨拶あいさつして、こつこつと長い狭い階梯はしごを登って、さてそのへやに入るのだが、東と南に明いたこの室は
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)