陸稲をかぼ)” の例文
旧字:陸稻
山畠の陸稲をかぼの、方一反、波うちかへすが中に交りて、大きなる柿の木の枝もとをゝに実りたるが、折からの入日をうけて立ちたる。
筬の音 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
かりしほと麦は刈られぬ。刈麦の穂麦は伏せて、畝竝うねなみにさららと置きぬ。麦刈ればそよぐさみどり、うねにすでに伸びつる陸稲をかぼならしも。
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「お前さんとこのお民さんは顔に似合はなえ力があるねえ。この間も陸稲をかぼの大束を四づつも背負つて通つたぢやなえかね。」
一塊の土 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
陸稲をかぼの種子がひとふくろ
『春と修羅』 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
門畑やそよぐ陸稲をかぼの夜に入れば月ほそく見ゆ黒きのうへ
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
北上ぎしへ陸稲をかぼ播き
春と修羅 第三集 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)