陰陽おんよう)” の例文
「むろん流罪るざいじゃ。陰陽おんよういえへ生まれてこの祈りを仕損じたら、安倍の家のほろぶるは当然じゃ」と、忠通は罵るように言った。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
白「わたくし陰陽おんようって世を渡り、未来の禍福を占って人の志を定むる事は、私承知して居りますけれども、こればかりは気が付きませなんだ」
云わば我々陰陽おんようの道にたずさわる者は、そう云うまどえる魂を、おつつの正道に引戻してやろうと云うわけなのだ。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
まこと陰陽おんようの摂理というものはあやかなものとみえて、小娘ながらも右門のごとき天下執心の美丈夫をかいま見ては、ちいさな胸もおののかずにはおかれなかったのでしたか
陰陽おんよう博士はかせが選びます吉日に、経験のある建築師二、三人をおよこしくださいましたならば、細かなことはまた仏家の定式がありますから、それに準じて作らせることにいたしましょう
源氏物語:51 宿り木 (新字新仮名) / 紫式部(著)