除目ぢもく)” の例文
将平員経のみではあるまい、群衆心理に摂収されない者は、或は口に出していさめ、或は心に秘めて非としたらうが、興世王や玄茂が事を用ゐて、除目ぢもくが行はれた。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
男の父は今度の除目ぢもくに、陸奥むつかみに任ぜられた。男もその為に雪の深い奥へ、一しよに下らねばならなかつた。勿論姫君と別れるのは、何よりも男には悲しかつた。
六の宮の姫君 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
鬼が栖むひがしの国へ春いなむ除目ぢもくに洩れし常陸ノ介と
恋衣 (新字旧仮名) / 山川登美子増田雅子与謝野晶子(著)