間竿けんざお)” の例文
忠勝入国の際検地が案外寛大であったので、農民その徳を頌し、土地を測るに用いた間竿けんざおを切って神に祭ったのだというのである。
まもなく、ここへ現われて来たのは、珍しく両刀を帯びた検見衆けんみしゅうらしいのが二人、間竿けんざお旗差物はたさしもののように押立てさせた従者と、人夫と、都合七八人の一行でありました。
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
この原にオランダ人献上の大臼砲だいきゅうほうを据えようというので、御鉄砲御用衆といわれる躑躅つつじの間づめのお歴々が、朝がけから、露もしとどな夏草を踏みしだき、間竿けんざおを持った組下を追いまわして
ひどい煙 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
そこで、期せずしてまずその長持に手がかかるや否や、傍らの水田の中へがむしゃらにほうり込んでしまい、駄賃馬に向っては、持合せの間竿けんざおで、その尻っぺたをイヤというほどひっぱたきました。
大菩薩峠:35 胆吹の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
江戸老中派遣のわいろを取る役人が来て、思う存分に間竿けんざおを入れる。
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)