門渡とわた)” の例文
朝曇り後晴れて、海のように深碧ふかみどりいだ空に、昼過ぎて、白い雲がしきりにちぎれちぎれに飛んだ。其が門渡とわたる船と見えている内に、暴風あらしである。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
其が門渡とわたる船と見えてゐる内に、暴風あらしである。空は愈青澄み、昏くなる頃には、藍の様に色濃くなつて行つた。見あげる山の端は、横雲の空のやうに、茜色に輝いて居る。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)