長堤ちょうてい)” の例文
玉川のわたしを渡って、また十丁ばかり、長堤ちょうていを築いた様に川と共に南東走する低い連山の中の唯有る小山をじて百草園に来た。もと松蓮寺の寺跡じせきで、今は横浜の某氏が別墅べっしょになって居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
加賀野井、竹ヶ鼻、二つの城は、ここ木曾川をはさんで、尾州口びしゅうぐち堅守けんしゅする姉妹城しまいじょうなのである。——秀吉は、ここを攻めるのに、武力を用いず、長堤ちょうていを築かせて、木曾川の水をそそぎ入れた。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)