鏑木清方かぶらぎきよかた)” の例文
それが水野年方みずのとしかたとなり、落合芳幾おちあいよしきとなり、輝方てるかた英朋ひでとも年恒としつね年英としひでとなり、そして巨匠鏑木清方かぶらぎきよかたとなったことは言う迄もありません。
芳年写生帖 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
保吉はばらせんを探りながら、「たけくらべ」、乙鳥口つばくろぐちの風呂敷包み、燕子花かきつばた、両国、鏑木清方かぶらぎきよかた、——その外いろいろのものを思ひ出した。
あばばばば (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
それは十一月のなかば過ぎから開場した芝居で、わたしは松居松葉まついしょうよう岡鬼太郎おかおにたろう鏑木清方かぶらぎきよかたの諸君と、たしかその四日目を平土間ひらどまで見物したように記憶している。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
先年鏑木清方かぶらぎきよかたさんが帝展に出された「築地明石町」の婦人が結ってたのがそれですが、今でもあいさにあれを結った人を見受けることがあります。皮肉な意気なものです。
好きな髷のことなど (新字新仮名) / 上村松園(著)
鏑木清方かぶらぎきよかた画伯の夫人が産褥さんじょく熱で入院した時の話である。
天井裏の妖婆 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
鏑木清方かぶらぎきよかたさんが——まだ浜町に居る頃である。
玉川の草 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
一番まん中なのは、鏑木清方かぶらぎきよかた君の元禄女げんろくおんなで、その下に小さくなっているのは、ラファエルのマドンナか何からしい。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)